視聴行動分析サービスを提供するニールセン デジタル株式会社(東京都港区、代表取締役社長 宮本 淳)は、視聴者のスポーツコンテンツに関するメディアと広告の視聴行動と意識に関して四半期ごとに計5回実施予定の調査の第2弾である「スポーツオーディエンスのメディア利用2019-2020 Vol.2」をもとに、消費者のスポーツコンテンツ視聴についての分析結果を発表した。
日本のテレビ業界の新しいトレンドとして、テレビ番組のデジタル上での同時配信開始に向けた動きが注目度を増してきている。
従来のテレビ番組よりも、スマートフォンやパソコン上のデジタルコンテンツに多くの時間を費やしている若者の視聴を取り戻す動きとして、既に見逃し配信サービスが提供されているが、今年の4月よりNHKが同時配信を開始する予定で、民放各局も同時配信を開始する方向で準備を始めている。
オリンピック・パラリンピックを契機に、デジタル配信により既存のテレビ番組の視聴を拡大させたいと考えているテレビ局も多いだろう。
こうした業界の動きに対して、消費者はデジタル上でスポーツ観戦することには慣れておらず、テレビで視聴する人が多いと予測されるが、デジタル観戦への流れを受け入れる準備はできているようだ。
消費者のスポーツコンテンツ視聴についての調査結果「スポーツオーディエンスのメディア利用2019-2020 Vol.2」によると、東京2020オリンピック・パラリンピックを「観戦するつもり」と答えた人はインターネット利用者のうち57%で、前回調査の2019年11月時点から4ポイント増加していた。
特に、男性の観戦意向者では、前回調査より8ポイント増加しており、関心が高まってきていることがわかる。
今後、数ヶ月で消費者の属性ごとの関心は刻々と変化する可能性があるため、スポーツコンテンツを提供する企業としては、消費者がいつどこで視聴したいと考えているのかを、常に意識して提供することが重要である。
海外でも同様の傾向が見られますが、消費者は自分の都合にあったスケジュールで、好みのプラットフォームで最も興味のあるコンテンツを視聴することに慣れているものの、スポーツコンテンツは他のコンテンツとは異なり、消費者は通常、テレビ番組をライブで観戦することを好む。
しかし、男女ともにパソコンやスマートフォンといったデジタルデバイスでの視聴を考えている人が、テレビで視聴したいと考えている人の約半数を占めており、デジタル配信に対する関心が高いことがわかる。
コンテンツを提供する企業は、このような潜在的にデジタル上で観戦する意向のある視聴者の“配信状況に関する認知”に注意を払う必要がある。
デジタル上で観戦したいと考えている人が多いことはわかったが、「2020年 箱根駅伝」はテレビとデジタルの両方で配信されていたにも関わらず、デジタルデバイスでの視聴はわずか4%となっていた。
注目すべきなのは、今回の「箱根駅伝」がデジタル上で配信されていることを知っていた視聴者はわずか12%だったということ。
当社シニアアナリストの高木史朗は、次のように述べている。
スポーツオーディエンスのメディア利用2019-2020は、オリンピック・パラリンピック東京大会に向けて、視聴者のスポーツコンテンツに関するメディアと広告の視聴行動と意識に関する調査データ。
2019年11月第一回調査を実施し、以降四半期ごとに定点調査を実施し、計5回の調査を行い、時系列での分析などを通じてメディアと広告主にオリンピック・パラリンピックおよびラグビーワールドカップや、2020年に開催される主要スポーツイベントにおける視聴者コミュニケーションへのインサイトを提供する。
第二回調査は2020年1月30日~2月2日にかけて実施され、スマートフォン、パソコン、タブレットのいずれかのデバイスを通して月1回以上インターネットを利用している日本全国の15歳(高校生)以上の男女、計800人を対象に調査を行った。
サンプル数は、上記3デバイスからのインターネット利用者の人口構成比によって割り当てられ、インターネットユーザーを代表するように割りつけられている。
【「スポーツオーディエンスのメディア利用2019-2020 vol.2」調査項目】———————————
■オリンピック・パラリンピック東京大会について
・興味関心
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・視聴コンテンツ種別×デバイス
・ネット上での視聴コンテンツ種別
・コンテンツを視聴したいサービス
・観戦前、観戦中に収集したい情報
・観戦前、観戦中の情報収集場所
・SNS等での情報発信
・スポンサード広告の好感度
■その他
・年始スポーツ観戦有無
・年始スポーツ観戦タイミング×デバイス
・年始スポーツネット配信の認知
・年末特番視聴有無
・年末特番配信の認知
・ラグビー関心度
・今後のラグビー観戦意向
デジタルでスポーツ観戦を拡大させるには、視聴できる場所を認知させることが重要 ~ニールセン、スポーツコンテンツの視聴行動と意識に関する調査結果(Vol.2)を発表~