6月14日から7月15日にかけてロシアW杯が行われるが、新たに導入される5つの技術を紹介したいと思う。
- VAR(video assistant referee)
- 消えるスプレー
- AdidasのTelstar新球
- 自動運転のシャトルバス
- 3Dスキャン
VAR(video assistant referee)
以前書いた「サッカーW杯でビデオ判定「VAR」を導入することが決定」にもあるように、今大会ではじめて「ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)」と呼ばれるビデオ判定が導入される。
VARはいくつかの場面で使われる予定だが、なかでも、ゴール判定技術(GLT)には、FIFAが採用したイギリスの「ホークアイ」、ドイツの「ゴールレフ」「ゴールコントロール4D」という3つの技術が導入されている。
国際大会という場において、VAR導入によって、より正確で公正な審判ができるようになるが、このVARは一部スタジアムのみ(ソチ、モスクワ、サンクトペテルブルク、カザン)に設置され、FIFAによってW杯後は撤去されるという。
VARは、スペイン1部リーグで来季から導入されることが決まっており、今大会はその先駆けとなる。
消えるスプレー
ブラジル大会から利用が開始されていて、今大会でも使われる予定の消えるスプレー。
前大会とは別の製品が使われる予定だが、詳細は不明とのこと。
ロシアでもTEN+1という消えるスプレーが開発されており、これは、先端産業投資ファンドのロスナノ(露:РОСНАН)が出資しているテクノスパルク(露:Техноспарк)とドゥブナ(露:Дубна)という企業の共同プロジェクトである。
今大会への採用は未だ不確定だが、このTEN+1は人工芝、天然芝共に使用でき、高温・寒冷な気候にも対応しているという。
AdidasのTelstar新球
今回の公式球はこれまでのW杯同様、アディダスのTelstarが使用される。
デザインとして1970年に作られた最初のモデルに近いものが採用されており、このボールには、近年利用されることが多いNFC(近距離無線通信)のチップが埋め込まれているとのこと。
自動運転のシャトルバス
マトリョーシカ(露:Matrёshka)
シャトル(露:Шатл)
自動運転のシャトルバス運行も予定されている。
残念ながら日本の予選が開催される都市では運行されないみたいだが、モスクワでは運行予定だ。
自動運転バスには、ヴォルガバスグループの「マトリョーシカ(露:Matrёshka)」と、カマズ社とサイエンスリサーチセンターが共同開発した「シャトル(露:Шатл)」の2種類がある。
マトリョーシカは3タイプあり、それぞれ乗客数が異なる。時速15〜20キロ(最高速度は30キロ)で運行し、一度に130キロの距離を走ることができる。
シャトルは時速25キロ(最高速度は40キロ)ほどで運行する。200キロの距離を走行し、スマートフォンで呼び出すことができるようになる予定だ。
3Dスキャン
ロシア企業Texelの3DスキャナーPotalが、FIFAによっていくつかの都市で利用される見込みである。
どのように利用されるのかはまだ公表されていないが、従来の3Dスキャナーと比べスキャンから3Dモデル作成がより速く、自動化されているという。
ロシアW杯開催目前! 新たに導入される注目の技術5つ | TechWave(テックウェーブ)