トラックマンデータで解明された「ノビのあるボール」の正体とは?

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野球ではよく”ノビのあるボール”という表現が使われる。

これまでは指導者や選手の主観で表現されていたこの言葉だが、トラックマンの普及によって客観的に評価出来るようになった。

トラックマンとは、リリースポイントの位置・球速・回転数(回転速度)・ボールの変化の大きさ・ホームベース到達時のボールの位置などあらゆるデータを分析できる測定器のこと。

日本プロ野球も導入を進める弾道測定機器「トラックマン」とは

トラックマンが登場したことで、最も注目を浴びたのは「回転数(スピンレート)」だ。

回転数が多いボールはノビのあるボールというイメージが強かったが、必ずしも回転数の多さとボールの変化の大きさは一致するとは限らないという。

その理由は、ボールの回転軸の方向にある。

ボールの回転軸が進行方向と直角(=バックスピン)であれば、回転数が増えれば増えるほどボールを変化させる力(揚力)がはたらくが、回転軸が進行方向と平行なボールいわゆるジャイロ回転のボールは、いくら回転数が増えても揚力は作用せず、ボールは変化しないからだ。

また、トラックマンではボール変化量を計測することもできる。これは、重力の影響のみを受けてボールが到達した地点を原点としたとき、揚力の影響を受けてボールがどれくらい変化したのかを数値化した指標である。

ボールの変化量
出典:Baseball Geeks

実際に浮き上がることはないが、ほとんどの投手の4シームは原点(図中青線)よりも左上に到達する。

今年巨人復帰を果たした上原は、メジャーで活躍していたとき、4シーム(ストレート)が140キロ前後の球速ながら高い空振り割合を記録していた。

トラックマンのデータによると、上原の4シームの縦の変化量(ホップ成分)は約53センチで、メジャー平均よりも10センチ以上大きかったという。

打者は平均的な変化のボールに見慣れており、予想を上回るホップするボールに対しては、実際には浮き上がるわけではないにもかかわらず「ノビ」ているように感じるのだ。

この平均を上回るホップ成分こそがボールの「ノビ」の正体であり、打者の予想を裏切る変化のボールこそ打者の打ちにくいボールなのである。

「ノビのあるボール」の正体とは?トラックマンデータで解明! | Baseball Geeks

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