2018年2月9日〜25日にかけて韓国で平昌オリンピックが行われているが、厳しい寒さや風が選手たちを苦しめている。
そんな中、アメリカ代表が開会式で着用していたジャケットには、選手を寒さから守るために最先端のテクノロジーを駆使して防寒対策がされていた。
平昌はどれぐらい寒い?
まず、オリンピックで行われている平昌がどれぐらい寒いのかというと、平昌は韓国で最も降雪量が多い地域のひとつとして知られていて、シベリアから季節風が吹き込むことによって、氷点下10度を下回ることもあるという。
それに加えて風の強い地域でもあるため、おそらく体感温度はさらに低くなる。
室内競技ならまだしも、スキーやスノーボードのような外の競技では、選手たちがまず闘わなければならなかったのは寒さだ。
競技を終えた日本の選手たちのインタビューでも、「とにかく寒くて風が強い」というコメントが多かった。
これは、バイアスロン男子10キロメートルスプリントに臨むスイスのベンヤミン・ヴェーガー選手の写真だが、氷柱となったヒゲがその寒さを物語っている。
屋根がないオリンピックスタジアム
平昌オリンピックの開会式が行われたスタジアムには屋根がない。
11月に同スタジアムで行われた音楽コンサートでは6人の観客が低体温症で運ばれたらしく、オリンピック前の開会式リハーサルでも寒さのあまり途中退場した選手が続出した。
今までで最も寒いオリンピックになるだろうと言われる中、開催された平昌オリンピック。
アメリカ代表のオフィシャルウェア
代表選手が開会式の際に着用する衣装などもオリンピックでは注目されるため、有名ブランドや人気デザイナーに衣装デザインを依頼する国も多い。
日本はというと、雪上でも映えるように、赤とオレンジの中間の「サンライズレッド」をメインカラーとしたアシックスのスポーツウェアを着用していた。
そしてアメリカ代表の選手たちが着用していたオフィシャルウェアがこちら。
このウェアを手がけたのは、アメリカを代表するファッションブランドであるラルフ・ローレン。
胸元には五輪マークとラルフ・ローレンを象徴するポロマーク。背中側には星条旗とUSAの文字が入っている。
見た目のデザインも素晴らしいが、話題になったのは平昌の厳しい寒さから選手を守る防寒機能の高さである。
ウェアの背中側の裏地には、銀インクと炭素インクで描かれた星条旗のパネルがある。実はこれは最新式の電子カイロになっていて、選手の身体を暖めていたという。
薄いリチウムイオンバッテリーがつながっており、バッテリーパックのボタンを押すと、導電性の高い銀インクを通って高抵抗の炭素インク部分へと電気が流れて熱を発するという仕組みだ。
導電性インクを使うことで、着心地やデザイン性も損なわない。
電子カイロは最大11時間使用でき、さらに温度は3段階で変えることができる。
まぁなかには防寒ウェアを必要としない猛者もいるが。。
トンガのピタ・タウファトファー選手。すごい。
Ralph Lauren
平昌オリンピック開会式:朝日新聞デジタル