プロゲーマーたちが大勢の観衆の前で対戦型ゲームなどで競うeスポーツ(エレクトロニック・スポーツの略)。
日本ではまだ認知度が低いが、世界中でプレイヤーやファンが多く、ゲームでありながらスポーツの側面もあるこの業界は、多くの企業が投資するなど、ここ数年で急成長を遂げている。
調査会社の「Newzoo」によると、eスポーツ業界の売り上げは、2018年で9億500万ドル(約970億円)を上回る見込みだという。
これは昨年の売り上げ6億5500万ドルと比較すると、38%もの増加になる。
売り上げの40%はスポーサーや広告収益になるとみられ、放映権料なども前年比72%増の1億6000万ドルになり、売上の5分の1近くを占めるようになると見込まれている。
各企業からの投資額も前年比で48%増と見込まれていることから、多くの企業がeスポーツ業界に期待していることがわかる。
さらに、米国のプロリーグではフランチャイズ制が導入され、新たなスポンサーが参入しやすくなっているという。
また、売り上げは2019年には11億ドル規模に、2021年には16.5億ドルにまで成長するのではないかと予測されている。
eスポーツファンは2018年には世界1億6500万人にまで増加するとみられているが、半数以上を占めているのはアジア太平洋地域のファンであり、そのほとんどは中国だ。2018年に中国だけで1億6400万ドルを売り上げる見込みである。
一方、米国のeスポーツファンは世界の14%しか占めていないが、売り上げシェアでみれば、2018年に38%を占めるとみられている。
Newzooはeスポーツビジネスにおいて、以下のように言っている。
eスポーツはデジタルでグローバルなスポーツであるため、チームと地元のつながりはまだ浸透していない。地元チームを応援できるような仕組みを作ることでファンのエンゲージメントを高めると同時に、グッズやチケットの販売や、地元のスポンサーや広告主からの収入を期待できる。
米中を中心にプロリーグが行われ、eスポーツの視聴者は世界中でこれからさらに増えていくのではないかと思う。
日本はゲーム大国でありながら、eスポーツがあまり流行っていない。もちろん好きな人はいるだろうが、あまりメディアで取り上げられず、知らない人も多いだろう。
「eスポーツはゲームであり、スポーツではない」と否定的な意見も多いなか、世界規模で発展していくであろうeスポーツ業界に対する日本の見方が今後どう変わっていくか気になるところである。
Global Esports Economy Will Reach $905.6 Million in 2018 as Brand Investment Grows by 48% | Newzoo
「eスポーツ」市場、10億ドル突破へ 米中でプロリーグ活性化 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)