神戸新聞社は、高校野球の一打席速報の内容を自動で解析し、試合の経過戦評を作成するプログラムを開発した。
人工知能(AI)のひとつである「機械学習」を用いた試みで、「経過戦評ロボットくん」と名付けられた。
2018年夏の東・西兵庫大会・準々決勝以降の試合で運用し、7月23日から予定されている全試合で、それぞれの試合終了後にTwitterで配信するという。
神戸新聞の電子版・神戸新聞NEXTでは、各打席の結果をリアルタイムで配信する一打席速報を、東西大会の準々決勝以降の全試合で実施。
ロボットくんはこの一打席速報を常時監視しており、終了した試合を見つけると、ページの内容を読み込み、打席結果を解析して経過戦評をまとめる。
読み込んでから出力までは1秒あまり。
試験的な取り組みのため、担当者が目を通してからTwitterに配信するが、文書の手直しはしないとのこと。
ロボットくんは経過戦評をつくるため、一打席速報の中から試合のハイライトを探し、文章として違和感なくまとめるという作業をしている。
具体的には、試合の中で起きたひとつひとつの打席結果を分析し、それぞれの得点シーンについて勝敗への影響度を算出しており、高い点数がついた得点シーンを複数組み合わせてテキストにまとめている。
どのようなシーンを重要と判断するかは、ロボットくんがあらかじめ「機械学習」を用いて作成した点数表をもとに計算しているといい、「教師」となるのは、記者が執筆し、神戸新聞に掲載されてきた試合の戦評だ。
学習対象となった試合数が多くないため、まだまだシーンの選択には改善の余地があるが、精度を高められるよう検討していくという。
AI活用 高校野球の戦評を自動作成 〜 「経過戦評ロボットくん」プログラムを開発