楽天グループの楽天モバイルネットワーク株式会社は、2018年11月15日に宮城県仙台市にある「楽天生命パーク宮城」にて、第5世代移動通信方式(5G)ネットワークを活用し、自動配送ロボットの遠隔操作やドローンによる撮影映像を用いたユーザー認証、360度カメラを用いた8K VRの映像配信など、5Gの導入によってもたらされる次世代のスマートスタジアム実現等に向けた実証実験を実施した。
なお、自動配送ロボットを用いた5Gの実証実験は国内初となる。
「スマートスタジアム」とは、先進的なIT技術の活用によってスポーツ観戦において新たな体験を創出する構想で、アプリによるスタジアムにおける飲食物注文の簡潔化やチケットレス化などを通じた利便性の向上、VRによる遠隔ユーザーへの臨場感あふれる映像配信など、国内外のスタジアムでも導入が進んでいる。
楽天モバイルネットワークでは、5Gネットワークを活用し、楽天の様々なサービスや技術を用いた、より魅力的なスポーツ観戦体験を創出することを将来的な5Gネットワークの用途の一つに位置づけているという。
本実験は、ノキアソリューションズ&ネットワークス合同会社(以下「ノキア」)およびインテル株式会社(以下「インテル」)と連携し、ノキアが保有するAir Scale基地局および基地局設置・運用・最適化のノウハウ、インテル®社製のモバイルトライアルプラットフォームを利用した第5世代移動通信方式(以下、5G)のOTA(over the air)による環境下で実施された。
本実験では、5Gの大容量伝送と低遅延の特質を生かし、楽天技術研究所(RIT)が宇都宮大学と連携して開発した自動配送ロボットに搭載した5G端末と、ロボット上のカメラで撮影した4K映像を用いて、リアルタイムでスムーズな遠隔操作および高精細な映像による本人確認などの遠隔管理ができることを確認。
自動配送ロボットの遠隔操作
これにより、将来的にスタジアム内で注文した商品の配送や、ラストワンマイルにおける配送ロボットの実用化等が期待される。
また、「楽天ドローン」が保有するドローンから撮影した映像を5Gネットワーク経由で伝送し、スタジアム内の人物特定等が実施できたことで、スタジアムでのエンターテインメントや、特定の人物への物の配送およびサービス提供等にも活用できる。
ドローンを用いたユーザー認証
さらに5Gの特徴である高速大容量通信を用いて、360度カメラで撮影したスタジアム内の8K VR映像データを伝送し、会場および会場外にて、臨場感あふれる観戦ができたことで、会場で観戦できない遠隔地からでも、リアルタイムで臨場感あふれる観戦が可能となるサービスの提供が期待されるとのこと。
360度8K VRの映像配信
楽天、次世代スマートスタジアム等の実現に向けた5G実証実験を 楽天生命パーク宮城にて実施 | 楽天株式会社