コネクテッド・ハードウェアの企画・開発、受託・共同開発、スタートアップ支援を行なう株式会社Cerevoは、同社のスポーツ用品ブランド「XON(読み:エックスオン)」ラインの製品として、金属3Dプリンター出力、センサー内蔵の高級IoTロードバイク「ORBITREC(読み:オービトレック)」の生産数を世界で10台限定と決定、価格をトータルサービスを含め1,500万円(14万USドル)と設定した。
また、CES 2019のCerevoブースにてORBITRECのタッチアンドトライゾーンを設置、来場者はORBITREC実機での乗車体験とセンシングされたサイクリングデータをリアルタイムに確認できる。
またその場で購入希望ウェイティングリストへの先行登録が可能だ。正式な受注開始は2019年内を予定しているという。
Cerevoは、限られた10名のオーナーのために、完全にカスタマイズされた高級オーダーメイドIoTロードバイクORBITRECを製造する。
全身をくまなく採寸するために世界中のどこからでもオーナーを日本に招待。採寸した数値をもとにフレームを設計し、金属3Dプリンターで製造、世界にふたつとないロードバイクを最短約1ヵ月から作り上げる。
ORBITRECの製造完了に合わせてオーナーを再度日本に招待し、改めて納車を行う。
「ORBITREC」は、デザイナー柳澤 郷司氏のデザインユニットであるTriple Bottom LineとDMM.make AKIBA、 ABBALabが共同で開発したロードバイクフレームのコンセプトモデル「DFM01」を発展させた製品。
オーナーの体に最適なジオメトリを実現するオーダーメイド・フレームを「ハンドメイドの精度」と「量産品の品質基準」で製作するため、チタン焼結型3Dプリント技術とカーボンファイバーチューブを組み合わせた構造を開発。
本格的なレースで使える軽量オーダーメイド・フレームである。
フレームダウンチューブに各種センサーを内蔵し、走行中の精密なログを取得・分析できる機能を搭載。
ORBITRECや、Cerevoのスマートフォン連携スマート・サイクルデバイス「RIDE-1(読み:ライド・ワン)」から取得された多彩なビッグデータを解析してライディングがより安全で楽しくなる情報をフィードバックする専用解析サーバを併せて開発された。
ORBITRECやRIDE-1とは、Bluetooth接続されたスマートフォンの専用アプリ経由で通信する。
各種センサーは9軸センサー(加速度・角速度・地磁気)、温度、気圧、照度、GPSを搭載。走行中の場所や速度といった基本的な情報に加え、傾きや衝撃などフレームの状態も取得。
GPSによる走行ログと組み合わせることで、過去の走行履歴を車体のさまざまな情報とともに振り返り、分析することができる。
BluetoothとANT+を搭載しており、既存のANT+対応センサーのデータを記録しながら、スマートフォンと連携することができる。
本製品ではレーザー焼結方式の3Dプリント技術を用い、3Dプリンタで製造したチタン製のジョイントを採用。
これにより、3Dプリンタによる実用的な強度を持った製品の量産化を可能とした。
デザインはコンセプトモデル「DFM01」から引き続き、柳澤郷司氏が担当。歪みが発生しやすい金属3Dプリントで量産に堪えうる品質かつ強度を獲得するために、人間の骨の内部構造を真似た「ラティス」と呼ばれる特殊構造を造形部内部に多数配置。
意匠面では造形方案からくる制限の中で高い審美性を獲得するため、チタンジョイント部が1本の線でつながっているように見えるラインマネジメントなど、さまざまな技法を駆使した。
RIDE-1は、Cerevoが2016年12月に発売した、ORBITREC搭載の各種センサーを外付けアダプター化した製品。
市販されているロードバイクやクロスバイクに装着することで、ORBITRECと同等のサイクリング体験を実現する製品だ。
XON ORBITREC – 3Dプリンタを利用したIoT自転車 | Cerevo
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