FIA(国際自動車連盟)は、3月から始まる自動車レース「F1(Formula One World Championship)」の2018年シーズンで、ドライバーの生体情報を取得するセンサーを搭載したレーシンググローブを試験導入すると発表した。
見た目は一般的なレース用耐火グローブとさほど変わりないが、わずか3mmの厚さの生体センサーが縫い付けられている。
そのセンサーで脈拍数や血液中の酸素飽和度を測ることができ、取得した情報は産業用Bluetoothで500m以上離れた位置から受け取ることができる。
情報はグローブ内にも保存されるようになっているので、レースを終えた後にデータをダウンロードすることも可能だ。
また、動作に必要な電力は内蔵バッテリーから供給しており、バッテリーはワイヤレス充電対応のため、ドライバーは外したグローブを充電台に置くだけで充電できる。
同センサーを開発した英国のSignal Biometricsを設立した一人でもある、FIAの医療チームに所属しているDrIan Roberts氏はこのように話している。
「医療ケアの観点からも、我々がドライバーをモニタリングすることは不可欠なことだ」
「(インシデントに遭った)ドライバーはすぐに我々とコンタクトを取れるわけではなく、時間が必要になる。もし我々がすぐにドライバーと接触できなかったり、彼らのそばにいなかった場合は、我々が得られる情報は限られてしまう」
この生体センサー搭載レーシンググローブによって、レース中のドライバーのバイタルサインを監視することができるため、事故が起きた際などの一刻を争うときに、医療チームが素早く適切な処置をドライバーに施せるようになると期待されている。
現在はドライバーの脈拍や酸素飽和度を取得するようになっているが、ドライバーの呼吸数や体温も計測できるセンサーを実装する計画もすでにある。
Safety in their hands | Federation Internationale de l’Automobile