スマートスタジアムによるITを活用した新たな映像サービス・観戦スタイル

スマートスタジアムとは、ICT技術を駆使してファンエンゲージメントを強化したスタジアムのこと。

スマートスタジアムがもたらす新たな観戦アプローチは、スポーツ観戦の魅力を高め、今までにない感動や体験を与えてくれる。

海外をはじめ、日本国内でもスマートスタジアムが増えているが、スタジアムのスマート化によってスポーツを”観る”体験はどう変わったのだろうか。

海外のスマートスタジアム

海外ではスタジアムのスマート化が急速に進んでおり、各地のスタジアムが競っているような状況になっている。

スマートスタジアムの先行事例として有名なのが米国のリーバイス・スタジアム。2016年2月に開催された、プロアメリカンフットボールNFL(National Football League)の優勝決定戦「第50回スーパーボウル」が行われた場所だ。

Levi’s Stadium(リーバイス・スタジアム)

Levi's Stadium(リーバイス・スタジアム)

リーバイス・スタジアムは2014年にオープンしたスタジアムで、カリフォルニア州サンタクララというシリコンバレーのど真ん中に位置する。

そのため、米ヤフーをはじめとするIT企業が公式スポンサーとなり、最新のIT技術を導入しているスマートスタジアムである。

スーパーボウルの観戦に訪れたファンに提供されたのが、無料Wi-Fi「SB50FREE」とスタジアム専用のスマートフォンアプリ「Super Bowl Stadium App」だ。

Wi-Fiサービスは、公式スポンサーであるケーブルテレビ事業者の米コムキャストが提供。

専用のスマホアプリでは、目の前で行われている試合のデータがリアルタイムで配信されたり、リプレー映像、スーパーボウル中継内で放送される「スーパーボウルCM」などが視聴できたという。

さらに、スタジアム内の地図を表示できたほか、座席にいながら飲料をオーダーして売店で優先的に受け取ったり、座席まで届けてもらったりすることも可能だった。

スタジアムとコムキャストによれば、無料Wi-Fiを利用したデータ転送量は、1日で10.1TB(テラバイト)に達したという。

「ユニバーシティ・オブ・フェニックス・スタジアム」で開催された前年は、データ転送量が6.2TBであり、63%増加したことになる。

また、観客の38%がWi-Fiを利用し、29%が同時利用したというデータも出ており、同スタジアムでの最多利用を更新した。

一方、実効接続速度は、4時間にわたって3.0Gビット/秒をキープし、ピーク速度はゲーム開始直前に記録した3.67Gビット。

前回までのスーパーボウルでもWi-Fiが提供されていたが、利用者が多く、SNSにうまく接続できなかったり、動画が再生されなかったりというトラブルがあったようだ。しかし、第50回スーパーボウルの時は、ビデオの視聴も快適だったという。

他にも、一般の観客席より豪華なスイートボックスには、テレビ中継やスタジアム独自の画像が見られるビデオネットワークや、チーム職員などに向けたクラウドを使った音声サービスが導入されていたり、コンコース(通路を兼ねた広い場所)にはネット接続されたタッチパネル式のデジタルサイネージ(電子看板)が設置されていたとのこと。

スーパーボウルで実証、世界最強「ITスタジアム」:日本経済新聞

日本でも進むスタジアムのスマート化

日本においても、スタジアムのスマート化は進んでいる。

2016年にJリーグと、Perform Groupが提供するスポーツのライブストリーミングサービス「DAZN」、NTTグループが、スマートスタジアム事業における協業契約を結んだ。

Jリーグ、DAZN、NTTグループ  「スマートスタジアム事業」協業契約締結 ~スタジアム・ホームタウンのICT化で、日本のスポーツ界に新たな感動と体験を~【Jリーグ】

これにより、J1クラブのホームスタジアムをはじめとした全国のスタジアムのWi-Fi環境整備、情報サービス提供などを含めたICT化事業に取り組んでいる。

NACK5スタジアム大宮

NACK5スタジアム大宮

日本のスマートスタジアムについて、大宮アルディージャのホームスタジアムである「NACK5スタジアム大宮」を紹介する。

まず、高密度Wi-Fiサービスとして「ARDIJA FREE Wi-Fi」を提供し、快適な接続を実現。公式スマートフォンアプリを通じて特別コンテンツも提供している。

特定の選手を追いかけた映像が見られる他、スタジアム内での快適さをICT技術で徹底的に追求している。

また、自分がGKとしてピッチになったかのような目線で大宮アルディージャ所属選手のシュートを体験できるVRイベントも実施。

さらに、新たな視聴体験として、高精細な映像番組を低遅延で一斉同報配信できるWi-Fiマルチキャストシステムを日本で初めてスタジアムに導入した。

これによって、スマホで目の前の試合に連動した番組や見逃したシーンの視聴ができる。

アプリで食事を注文し、追加料金で自分の席まで運んでもらうサービスもあるという。

スマート化により、スタジアム周辺地域にも良い影響がある。

スタジアム近隣の大宮商店街と連携し、商店街のお店をマップ付きでアプリ上で紹介したり、クーポン情報をアプリ上で配信することで、スタジアムから店舗への送客を促進するのだ。

また、入場ゲート前やコンコースなどに設置した10台のデジタルサイネージでも、クラブやスタジアムからのファンへの告知、地域応援店情報などを提供し、スタジアム周辺地域の活性化も図っている。

Jリーグに限らず、あらゆるスポーツ施設でこういったスマート化の動きがあるし、チケットの電子化(デジタルチケット)などを取り入れているところも増えている。

さらに、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)の技術を用いた観戦体験が当たり前になる時代がやってくるだろう。

スマートスタジアム|NTT×B2B2X|グループ経営戦略の取り組み

高臨場感の観戦体験

スポーツ庁と経済産業省が共同で開催した「スポーツ未来開拓会議」の資料で紹介されていた、これまでにない観戦アプローチを可能にした技術をいくつか紹介しておく。

多視点ロボットカメラによる立体的な映像表現技術(NHK)

多視点ロボットカメラによる立体的な映像表現技術(NHK)

超高臨場感をリアルタイムで遠隔配信する「イマーシブテレプレゼンス技術」(NTT)

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選手の成績をリアルタイムで確認しながら楽しめる透過式メガネ端末「SmartEyeglass」(ソニー)

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ボール視点の映像を撮る「ボールカム」(東京工業大学 小池研究室)

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フェンシングの剣先の動きを可視化しエンターテイメント化(電通、ライゾマティクス、ピクス)

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多様なスタジアムへ

スマートスタジアムは、スポーツを観る人の体験や満足度を向上させるのはもちろんのこと、施設の収益性を上げたり、周辺地域の産業活性化においても大きな影響を与える。

スポーツ庁もスタジアム・アリーナの改革に力を入れており、飲食や宿泊、観光などあらゆる産業を巻き込んで地域を活性化させることが期待されているという。

高機能なスタジアム施設は、スポーツに限らず、コンサートやイベントなど多様なシーンで利用できるし、災害などが起きた場合の避難施設としての役割も果たす。

こういったことを考えると、スマートスタジアムが持つ潜在力はかなり大きいのではないだろうか。

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